大阪を副首都とする理由や役割、機能についてご紹介します。

副首都構想とは

大阪が副首都になるという話をご存知でしょうか?
まだ正式決定されたものではないですが、昨今は構想案への議論がより加速して、複数あった候補地の中で大阪を有力とする動きが強まっています。

 

副首都構想とは、現在の首都(正式には事実上の首都)である東京が災害やテロによって首都機能が停止した際に、他の都市で首都のバックアップを行える体制を作ることです。
具体的には空港や公園の跡地に副首都機能を有する建物を建設しようとしています。

 

副首都構想は2005年に提案された歴史を持ちますが、2011年の東日本大震災によって、より現実味のある構想として議論が加速しています。

 

 

本来の副首都構想の目的

候補地として有力な大阪国際空港跡地
副首都構想は日本で2番目の都市として再整備をするというよりかは、有事の際に一時的な首都機能のバックアップを行うことを目的にしています。

 

大阪エリアおよび主要都市の中心部を再整備するものではなく、官公庁や国会などの主要な設備の代替場所を用意するのが副首都構想の主たる目的です。

 

副首都構想の候補地
  • 大阪国際空港跡地(大阪府、兵庫県)
  • 関西文化学術研究都市(大阪府、京都府、奈良県)
  • 万博公園(大阪府)
  • 愛・地球博記念公園(愛知県)
  • 名古屋空港跡地(愛知県)

 

上記の5つの候補の中で、大阪国際空港跡地(構想が実現すれば空港を廃止する案)が最有力の候補地に挙げられています。

 

大阪は橋下徹元市長が提案した「大阪都構想」が話題になりましたが、財政管理を大阪都が一貫して行い、人件費などの財源を節約する大阪都構想と副首都構想は全くの別物です。

 

大阪は副首都の誘致および施設の建設が進んだ際には、現在東京に集中している企業などの重要拠点の誘致をより積極的に行い、大阪のエリア全体を大きく経済発展させようとする狙いも持っています。

 

 

副首都を誘致するメリット

副首都を誘致した場合、該当施設には多額の建設費が国から出るため、地域の建設業界の仕事が大量に発生します。

 

さらに副首都は国の重要な拠点として位置づけられているため、交通インフラの整備などで優遇される期待があり、結果的に副首都を誘致した地域は大きな経済成長を遂げる見込みです。
大阪の街並み

副首都構想は大阪をはじめとした関西圏のほかに愛知県も候補地に挙がっていますが、企業からは関西圏を希望する意見が多く、関西国際空港跡地に決まらないにしても大阪近隣に副首都を置く可能性が高いとみられています。

 

すでに大企業の多くは東京と大阪に大きな支社を構えているケースが多く、大阪に本社を置く大企業も多数存在します。

 

東京と大阪に分散したビジネスは既に浸透していることや、近い将来はリニアの開通によって東京-大阪間の移動が短縮されることも、大阪が有力地に見られている要因です。

 

 

副首都を抜きにして地方へ人員分散させる企業が増えている

 

副首都構想の議論が東日本大震災をキッカケに一気に進んだのと同時に、企業も東京に一極化している経営状況を見直す事例が増えています。

 

実際に東日本大震災では仙台に本社を置いて他の地域に展開する企業の統率が取れなくなった事例もあり、本社機能を集中させるビジネス方針は古いものへと変化してきています。

 

代表的な事例をご覧ください。

 

東京と大阪に2つの本社を持つ企業の一例
  • 伊藤忠商事
  • オリックス
  • 大同生命保険

 

東日本大震災以降に本社機能を分散した企業の一例
  • 新生銀行
  • メットライフアリコ(福岡県へ一部の本社機能を移転)

 

 

上記はあくまでも一例で、元から大阪に本社機能を持っていた大企業も、東京やその他の主要都市へ本社機能を分散させる動きが加速しています。

 

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地震への警戒

 

東京にある本社機能の分散として真っ先に候補地に挙がるのが大阪で、日本第二の経済都市であり、新幹線を使えば日帰り出張で往来できる利便性などが高く評価されています。

 

なお、大阪より東京とのアクセスが良い愛知県(名古屋)の場合、地元企業のトヨタ自動車をはじめ東京と愛知で本社機能を分散している企業があるものの、懸念されている南海トラフ地震でW被災するリスクが高いことから、新たに検討する移転先としての需要が低いです。

 

大阪が注目される理由は、大震災で東京と同時に被災するリスクの低さと、陸路で手軽に移動できるアクセスの良さのバランスが良いからです。

 

 

日本は副首都を置く必要性が高い

日本は東京への依存が高いだけではなく、その東京で近い将来に高確率で大地震が発生する懸念を持たれています。

 

建物が密集し、一部では耐震性が低い高層ビルや建物が密集したエリアが多い東京では、地震をキッカケに首都が機能しなくなるリスクが高いです。

 

海外を見ると首都移転を行った事例は複数ありますが、バックアップに特化した大規模施設の建設事例はこれまでありません。

 

日本の副首都構想は世界におけるリスク回避のモデルケースになる可能性を秘めています。

 

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